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ネプチューンズの日本人左腕にインタビュー

 去る6月6日から10日まで、オランダ・ロッテルダムにて開催されたヨーロッパチャンピオンズカップ。その今年度覇者となった地元キュラソー・ネプチューンズに、今季から日本人左腕が在籍しています。予選リーグで第3戦に先発し、5回4失点(勝ち負けなし)という投球を見せた、元滋賀ユナイテッドBCの斉藤力投手(25)。縁あって遠くオランダの地にたどり着いた流浪の野球人に、選手から見たオランダ野球の姿について聞いてきました。




―:まずは本日、お疲れ様でした。

斉藤(以下斉):ありがとうございます。

―:早速ですが、斉藤さんはどうしてオランダに来ようと思ったんですか?

斉:はい。まず日本で野球ができなくなってしまって、どうしようかなって思っているときに海外で挑戦する機会を頂いたので、行ってみようかなと。エージェントを通してなんですけど、ちょうどネプチューンズが左ピッチャー探しているよっていう話を頂いて。それでオランダへとやってきました。

―:エージェントの方の紹介でオランダにいらしたんですね。

斉:そうですね。エージェントを通してオランダでプレイする機会をいただいたので、チャンスを活かせればなと思っています。

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―:紹介されるまで、オランダの野球というのはご存知でしたか?

斉:野球自体があることは知っていましたが、正直そこまで詳しくはわからなかったです。ただWBCなんかで日本と対戦することもありましたし、レベルは何となく高いんだろうと。そこで自分がプレイすることができるのは純粋にチャンスだと思いましたね。事実、いい経験をさせてもらってると思います。

―:なるほど。

斉:日本でもオランダでも、声をかけてもらったこと自体がありがたかったので、また契約してもらえるように頑張ってアピールしています。日本から声をかけてもらえるのだとしたら、それもうれしいことですが。

―:今のところ日本球界への復帰は考えているんですか?

斉:本当にお声を頂ければっていう感じですね。僕自身まだまだ現役を続けたいですし、可能性がある限りはどこへでも行きたいです。でも今はオランダで、与えられた役割を果たすだけです。この大会(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)の為に呼ばれたようなものなので。

―:ありがとうございます。プレイする選手の目線として、オランダと日本の野球の違いを教えて頂けますか?

斉:そうですね、日本はやはり堅実な野球を好む監督や選手が多いと思います。練習にしても守備練習に割く時間が長いですし。練習を繰り返して繰り返して、ミスを無くそうといったチーム作りをしていきますよね。

オランダの場合はそこまで練習はハードではない。もちろん悪い意味ではなく、和気あいあいとやってる感じです。フリーバッティングのついでに守備練習をする、みたいな。内容としても日本とは逆に、ミスを減らそうというのではなくいいプレイをできるようにしよう、といった練習をしているイメージです。うまく言えませんけど。

―:大丈夫です、伝わってますよ(笑)。

斉:(笑)。でもその中で個々の能力というのはものすごく高くて、それを活かしてやってるのがオランダの野球かなと。投手にしてもものすごく背が高いのもいますし、野手はやっぱりみんな当たれば飛んでいきます。

―:なるほど。

斉:オランダの野球は初めて見る人にとっては凄く雑に見えるかもしれないけど、技術や身体能力が高くて、しっかり一つの野球の形になっていると感じています。自分の与えられた仕事をこなすだけが与えられた役割なので、こなし続けていく先にまた見えてくる世界もあるのかなと。まだまだオランダでプレーしたいと思っています。

―:最後に、今後ヨーロッパに挑戦する選手のためにアドバイスを頂ければと思います。対策はあるんでしょうか?

斉:ピッチャー目線だと初めて対戦する相手が多いので、変化球でカウントが取れるようになれば投手有利になると思います。やっぱりストレートはだれでも持っている球種ですし、オランダでプレーする投手は比較的ストレートが多い。なので打者の多くはストレートを中心に考えて打席に入っています。変化球を有効に使えれば自然と投手有利に進められると思います。

―:貴重なお話、ありがとうございました!頑張ってください。

斉:ありがとうございます。頑張ります。

斉藤投手が登板した試合のボックススコア(英語)は、こちらからどうぞ!



取材/撮影:仁木谷 浩康
編集:田中 亮多
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グッズ販売契約締結のお知らせ

 NO BORDERZ BASEBALLではこの度、フランス・ディビジョン1の昨季王者であるルーアン・ハスキーズとの間において、日本での球団グッズのライセンス生産と販売に関する契約を締結しましたのでお知らせいたします。

 今回の契約期間は2年間となります(双方の合意によって延長も可能となっています)。弊団体は球団から貸与されたロゴ等を用いてグッズを製作し、これをオンラインストアなどで販売。このセールス活動で得られた利益の一部が、ロイヤリティとして球団側に支払われる契約となっています。ハスキーズは現在2024年パリ五輪を見据えて様々な取り組みに着手しており、本企画もその一環として実施されることになります。

 ハスキーズは欧州球界屈指の強豪球団の1つで、これまで2003年以降だけで計13回にわたってディビジョン1を制した、フランスリーグの顔とも言えるチーム。大エースのオーウェン・オザニック投手や、強打の主砲デビッド・ガーサー内野手を筆頭にフランス代表メンバーも多数顔を揃えており、2015年からはリーグ3連覇中です。去る6月6日から10日までオランダ・ロッテルダムにて開催された「ヨーロッパチャンピオンズカップ」にはフランスリーグ代表として出場し4位という成績でした。

 今回彼らとこのような形で協働できることは、我々NO BORDERZ BASEBALLにとってこれ以上ない栄誉です。今後、この取り組みがお互いにとって素晴らしい価値をもたらすものとなるよう、精一杯取り組んでまいりたいと思います。商品ラインナップについては目下検討中ですので、続報をお楽しみに!



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NO BORDERZ BASEBALLって何だ?

どうもみなさんこんにちは、ようやく日本での生活も落ち着きを取り戻してきた仁木谷です。

ご存知の方も多いかとは思いますが数日前、団体公式のTwitterアカウントが凍結の憂き目にあってしまいました・・・

というのも、団体の結成2周年を記念して誕生日設定を弄ってみたところ、

2歳児と無事認定されてしまい「13歳以下のアカウント作成」というルールを侵害する形となってしまったようです。

代表の田中が即座に誤って登録した旨を身分証画像を添付したうえでTwitter社へと伝え、異議を申し立てたのですが音沙汰なし・・・

復旧の見通しが立たないため現在は新アカウント(@NO_BORDERZ_jp)へと移行という処置を取らせていただいています。

多くの方々に多大なるご心配とご迷惑をおかけしたことをお詫びするとともに、

大変お手数ではありますが新アカウントの方も是非フォローしていただければと心よりお願い申し上げます。

欧州視察中に順調にフォロワーが増え続け、
ちょうど400人を超えていた矢先の出来事だっただけに私たちとしても痛恨のミスでした・・・汗



ともかくTwitterアカウントが全くの白紙になってしまったのはある意味ではいい機会だ、

ということで改めてNO BORDERZという団体はいったい何をしているのか?

またこれからどんなビジョンを描いているのか?

といったことをメンバーと合わせて紹介させていただきました。

今回のブログ記事の内容は、その投稿を加筆・再編集したものです。

「よくわからない事をしている怪しい国際野球サークル」である私たちのことを少しでも知っていただければ幸いです。




執筆・編集:仁木谷 宏泰

※この記事はTwitter団体公式アカウントへの投稿を再編集したものです。


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ロッテルダム在住の日本人ファンにインタビュー

 去る6月6日から10日まで、オランダ・ロッテルダムにて開催された「ヨーロッパチャンピオンズカップ」。欧州クラブNo.1を決める戦いであるこの大会ですが、日本にいるとその情報を伝えてくれる人の存在も限られ、なかなかなじみがないというのが日本の野球ファンにとっての実情ではないでしょうか。

 しかし、オランダにも当然現地で暮らしてらっしゃる日本人の皆さんはいらっしゃいます。そうした方々は、この大会をどのように見つめているのでしょうか?今回はたまたま球場でお会いした、駐在員としてロッテルダムにお住いの日本人・Mさんに話を聞いてきました。




―今日ここに野球を見に来た理由を教えてください。

M:今年4月に入社してきた同僚が元ネプチューンズの選手で、彼に紹介されて、日本人プレーヤーがいることを知りました。せっかくなので見に行こうと思って来てみました。

―ファン目線から見て、日本の野球との違いを教えてください。

M:球場へは初めて来たんですが、選手や関係者がものすごくフレンドリーですね!近くまで行ったんですけど、選手から普通に声をかけてきて驚きましたよ(笑)。斉藤選手<注>は勿論、ファンミルら日本でプレー経験のある選手もいて日本語で挨拶されました。

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(注)今季から加入した斉藤力投手(↑画像)。大会でも予選の最終戦で先発登板しました。

とにかく選手とファンの距離が近いですね。僕は第一回のWBCも見に行ったんですが、やっぱり海外は選手とファンの選手の距離が近いですし、ファンもそれに慣れている。とにかくこの共有感は魅力だと思いますね。

―確かにそれは感じました。今まさにインタビューをしているスタンドも、選手やファン、関係者が同じ場所で食事をとっていますしね(笑)

M:本当にすごいですね。衝撃を受けました。日本の常識だとバックヤードを共有できるってありえないですからね選手と同じ内容の食事をとれますしね。

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スタンドには日本のプロ野球チームのグッズをまとったファンの姿も


―今日野球場へは初めていらっしゃったということでしたが。

M:そうです。でもこの大会ってサッカーでいえばヨーロッパチャンピオンシップなんですよね。さっき同僚から聞いてびっくりしました。ヨーロッパのチャンピオンを決めるような大会で、観客が1000人ちょっとというのはなんていうんですかね、不思議です。同僚も言っていましたが、それだけまだ人気がないということなんですかね。サッカーだともう戦争じゃないですか(笑)。でも意外と選手たちも和気あいあいというか、ファンもそこまで気が立っていないですし(笑)。

―初めてでちょっとこういう質問はどうかと思いますが、日本のファンの方にオランダ野球を紹介するとしたら、どのあたりがおすすめできるポイントでしょうか?

M:やっぱり球場全体の共有感ですかね。これだけの距離感ですからね。初めて来ましたけど、選手もファンもみんなフレンドリーに接してくれますし、ハードルは思っているほど高くないと思いますよオランダ人は文化的にもみんなフレンドリーですし人懐っこい。アジア人だからといって差別もありません。よそ者でも簡単に受け入れてくれます。

単純にちょっと野球が好きで、見てみたいな、興味があるな、という方はぜひ来てもらいたいですね選手たちはこれだけオープンですからね。ロッテルダムでお待ちしています!



記事/編集 田中亮多
取材編集/撮影 仁木谷浩康

ストアでの新商品発売およびグッズ販売合意のお知らせ

 本日、当ウェブサイトのショップページおよび外部サイト「NO BORDERZ BASEBALL STORE」にて、欧州野球ガイドブック「Basbalo」シリーズの最新刊、「Basbalo Deutaschland(バスバーロ・ドイチュラント)」製本版の発売を開始しました。

 ドイツにおける野球事情の解説本となる今作は、既に今月1日より電子版の販売を開始していましたが、今回製本版も晴れて販売スタートとなります。またオンライン販売に加え、明日ホテルさっぽろ芸文館で開催される「北海道COMITIA8」においても、既刊ともども頒布を実施する予定です。札幌市またはその近郊にお住いの皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

 このBasbaloシリーズに加えて、現在同ストアでは野球フィンランド代表グッズ(キャップ及びTシャツ)の販売を行っていますが、この度そのラインナップにも新たな顔ぶれが加わります。フランス・ディビジョン1の昨季王者であるルーアン・ハスキーズと、この度球団グッズの日本でのライセンス生産・販売を行うことで合意しました。今月9日にオランダ・ロッテルダムにて球団首脳と覚書を取り交わし済みであり、今後正式に契約予定。キャップ、Tシャツ、レプリカユニフォームといったアパレルグッズに加え、キーホルダーやステッカーといった幅広いラインナップを検討しております。

 このグッズ販売は、グッズ等のセールスを通じた欧州球界への支援を目的とする「NO BORDERZ プロジェクト」の一環として企画されたもので、利益の一部は球団へと還元されます。ハスキーズは現在、2022年に予定されているパリ五輪に向けた様々な取り組みを進めており、本企画もその支援のためのプロジェクトとして位置づける予定です。今後もハスキーズに加えて、欧州各国の球団とパートナーシップを結んでいきます。販売開始の際には改めて告知させていただきますので、どうぞお楽しみに!

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現場で見た欧州野球~期待感と不安の狭間で~

 6月6日から10日まで、オランダ・ロッテルダムにて開催された国際大会「ヨーロッパチャンピオンズカップ」を訪問した。野球関係の活動を目的とした欧州への渡航は、2009年のWBCでオランダがドミニカ共和国を2度破るという奇跡を目撃して以降初めて。あれからちょうど10年目、まさに念願かなっての旅路となった。

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メイン会場のネプチューンズ・ファミリー・スタディオン。スタンドでは球団グッズ販売も行われた

 今回訪問したチャンピオンズカップは、文字通り「欧州のクラブチームにおける最高峰の戦い」といえる。毎年、欧州を代表する強豪リーグにおける前年度の王者や2位チームなど8球団が顔を揃え、欧州No.1の座を賭けて対決する。この大会が「UEFAチャンピオンズリーグの野球版」として位置づけられるコンペティションであることは、スタジアムに足を運んでいる人々なら誰でも認識していることだ。ただし、実際の大会における運用や構造は本家とは全く違う。

 最も驚いたのは、とにかく選手と観客や関係者の距離がとんでもなく近いということ。ついさっきまで試合をしていた選手たちが、試合後に観客たちと同じクラブハウスで食事をし談笑するのは、ごく当たり前の光景。ドリンクスタンドに飲み物を買いに並んでいると、自分のすぐ後ろに後に控える試合に出場予定の選手がいるなんてこともある。もしも仲のいい選手たちとスタンドやバックヤードで遭遇したら、こちらが声をかけるまでもなく向こうから挨拶してくるし、そのまま握手を交わして歓談タイムがスタートなんてこともザラだ。

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第2会場「シュポルトパーク・シェンケル」で、試合前に言葉を交わすT&Aサンマリノ・タイタンズの選手たち


 日本においては、野球選手とファンは一般的にオーケストラやミュージシャン、演劇の役者としてステージに上がる人々と、それを鑑賞する観客という構図だ。両者の間には厳然とした一線が引かれ、僕らは彼らの一挙手一投足を見えない壁の向こう側に見ることを、暗黙のうちに求められる。欧州野球には、そんな一線も壁も存在しない。ネプチューンズファミリースタディオンで開催された5日間の大会中、あの場にいた誰もが立場は違えど、皆大会の「参加者」であり「作り手」だった。日本球界、少なくともNPB一軍の試合では絶対に起こりえないことが、ここでは日常風景になっている。

 とはいえ、フィールド内における風景は日本も欧州も変わらない。たとえどこでプレーしようとも野球は野球だ。そしてどの試合も、一般的に想起されるよりも高いレベルでプレーされている。少なくともオランダ勢とイタリア勢の対戦は、異国の地でハイレベルな野球が見たいというファンを落胆させることはないだろう。そして彼らでさえ、時としてそれ以外の国から来たクラブの前に苦杯をなめることがある。事実、今大会でも複数回の金星が記録された。ハイデンハイム・ハイデコッフェ(ドイツ)はASDリミニ(イタリア)を3-1で、ルーアン・ハスキーズ(フランス)はL&Dアムステルダム・パイレーツ(オランダ)を8-1で破っている。いずれも、下馬評では対戦相手に比べやや劣勢と目されたチーム。一発勝負の舞台では何だって起こるのだ。

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パイレーツ戦で1失点完投勝利、金星に貢献したハスキーズ先発のオーウェン・オザニック


 もちろん北米や東アジアにおける多くの野球ファンは、欧州の地でレベルの高いプレーが見られるということにはまだ気が付いていないだろう。一方欧州の球界関係者にとっても、プレス用の入場者証をぶら下げて毎日球場に通ってくる日本人なんて、そうそう見慣れないものであったに違いない。ただ、僕たちNO BORDERZ BASEBALLにとってはこれはあくまでもスタートラインに過ぎない。今後、ユーラシア大陸の両端に位置する両球界がさらに接近していくことを願っているし、どうやらそれは欧州側でも強く意識されているようだ。

 実際、今回の旅の中でとても衝撃的な出来事があった。今回の訪問の目的には大会への取材に加え、欧州で活動する各球団のグッズを日本でライセンス生産・販売するプロジェクトの下交渉も含まれている。大会閉幕翌日に設けられたある球団との席上、たまたま僕が口に出したある活動の構想(実際のところまだ思考実験レベルの話に過ぎない話題で、雑談レベルで口をついた程度のものだ)に、先方の担当者が想像以上に食いついた。そして驚いたことに、なんとその日のうちにオランダ王立野球・ソフトボール連盟(KNBSB)のバート・フォルカーレイク会長との会談の場が、その担当者の取り計らいでセッティングされてしまったのだ。

 もちろん彼らも実業家とはいえ、恐ろしいほどの機動力である。言葉は悪いが、日本においてさえまだ無名の存在である自分たちを自国球界のトップと引き合わせるなど、はっきり言って狂気の沙汰とすら言っていいかもしれない。ただ、逆に言えばそれだけ日本の野球人は彼らから良くも悪くも期待されている。「欧州球界の為に何かしたい」と考えている人間なら、有名無名を問わずなおさらなのだろう。大会中にも現地の関係者と意見を交わす場面は少なからずあったが、皆日本人がどんなことを考えていて、一緒に何ができるのかという点について興味津々な様子だった。

 それはあるいは、彼ら自身が抱える自国球界への不安感の裏返しといえるかもしれない。今回顔を合わせた現地の野球人の中で、印象に残っている人々の一人がドナート・レスタ氏。スイスからイタリアに移民した過去を持ち、スイス国内リーグ・ナツィオナルリーガAの旗揚げにも尽力した彼とは、以前からFacebookでは交友関係がある。今回スタンドのプレス席で顔を合わせた際、彼は欧州球界の現状についてこう吐露していた。

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I&Iプロスカウティング社のドナート・レスタ代表(右)。左は筆者


 「今の欧州球界は、あまりに構造的にアメリカに依存しすぎている。でも、僕らはアメリカ野球と全く同じようには出来ない。何故なら、アメリカにはハイスクールやカレッジのプログラムがあるけれど、地域単位で存在するクラブチームがベースである僕らにはないからだ。僕らヨーロッパ人は自分たち自身の野球、自分たちのルール、自分たちが紡いできた歴史にプライドを持たなきゃいけない。アメリカの植民地や衛星となるのではなく、僕らなりのやり方を見つけて確立する努力をしないといけないんだよ」

 「こっちのスポーツ好きな少年・少女の親たちは、自分の子供がサッカーで大金を稼ぐ姿を想像することは出来ても、野球選手としてアメリカで成功する姿をイメージすることは難しい。そもそも野球というスポーツ自体に明るくない人も少なくないんだ。そして当の子供たちだって、自分のスターとしてマイク・トラウトやクレイトン・カーショウを挙げることは出来ても、自国のトップ選手の名前を挙げろと言われると誰もピンとこない。自分と同じ国における最高の野球選手が、彼らにとってはアイドルではないんだ。これが僕らにとって遺憾なことでないはずがないだろう?僕らはこの状況を変えないといけないんだ!」

 NO BORDERZ BASEBALLが掲げる最終的なゴールの1つに、「出身国・地域を問わず世界中の野球選手が己の努力と才能次第で、世界最高峰の舞台に挑戦するチャンスを得られる野球界を創ること」がある。その過程としてもう1つ掲げている目標が、「欧州を日米に次ぐ球界の第3王朝とすること」だ。もちろん、どちらも今はまだ遠く壮大な目標に過ぎない。でも、少なくとも今回のオランダへの渡航は、その大海原へと漕ぎ出す最初の一歩にはなったと確信している。この大きな夢を叶えるために皆とともに力を合わせ、艦長として一つずつ大きな壁を一緒に乗り越えていく為の陣頭指揮を執るのが、代表たる自分の使命であると確信している。

 ただ、もしその夢が将来いつか叶って、たとえ欧州野球が1試合数万人単位の人員を動員するような大きな産業によしんば成長できたとしても、彼らに忘れてほしくない物がある。あの大会という場にいた誰もが、お互いを同じスポーツを愛する友人として助け合うというメンタリティ。選手とそれを支える者たちが同じ人間同士として対等に交流し合う、コミュニティとしての空間。それは恐らくNPBでもMLBでも最早体験しえないであろう、欧州球界ならではの宝物なのだから。




筆者紹介
田中亮多
NO BORDERZ BASEBALL代表。
1988年1月10日生まれ、千葉県出身。
幼少期に5年と3か月間にわたるイギリス・クロイドンでの生活を経験する。
帰国後の2009年に行われた第2回WBCにて、オランダ代表が優勝候補と謳われたドミニカ共和国代表に2連勝したことに衝撃を受けたことをきっかけに、ブログ「欧州野球狂の詩」を開設。
2016年に前身となる団体「グローバルベースボール」を旗揚げしその代表に就任、選手移籍支援など国際野球発展のための様々な活動に携わる。NPO法人国際野球支援団体ベースボールブリッジ前代表。30441610_1875764439165470_5451353250076819456_n.jpg

オーウェン・オザニック投手インタビュー

 現在オランダ・ロッテルダムの地で開催されている、欧州クラブNo.1を決める大会「ヨーロッパチャンピオンズカップ」。

現地時間の6日に開幕し、日々熱戦が繰り広げられています。
今回はその舞台で戦う選手たちの1人である、
オーウェン・オザニック投手(ルーアン・ハスキーズ)に直撃インタビューを敢行。
7日のL&Dアムステルダム・パイレーツ戦で9回1失点完投勝利を収めた彼に、リアルな欧州野球事情を語ってもらいました。


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―:今日は完投勝利おめでとう。素晴らしい投球だったね。
この大会に向けて、フィジカル・メンタルの両面でどのように準備してきたのかな?



オザニック(以下オ):ありがとう。
僕はこの大会に向けて、フィジカル面に関しては半年前から入念に準備を重ねてきたんだ。
特に、スタミナの強化は余念なく行ってきた。
フランスのチームは、イタリアやオランダの球団のようにロースターが潤沢なわけじゃないから、
僕ら先発投手はなるべく6~7回くらいは投げられるようにしておかないといけない。
その努力が功を奏した感じだね。

メンタルについては、やはり格上であるイタリア・オランダ勢に対しても逃げない、
立ち向かっていくんだという気持ちを強く持って臨んだ。結果的にいい投球ができて嬉しく思っているよ。


―:君は今オランダの球団を格上と表現したけれど、それでも今日の君はまさしくそんな彼らを圧倒する支配的な投球をしていたよね。
自分の中ではどこが一番よかったと思う?



オ:そうだね、一番はバックの守備だと思う。
彼らが2度ダブルプレーを決めてくれて、それが自分を大きく乗せる要因になったんだ。
特に2回目(一死二塁の場面で、センターが正面へのライナーを捕球後二塁に送球して走者アウト)のプレーはとても大きかった。例えばあれが成立していなかったり、打球が抜けていたりしていたら多分違った展開になっていたと思う。


―:少し個人的な質問に移ろう。
日本の野球ファンは、往々にして欧州の野球選手が野球を始めるきっかけを知りたがるんだ。
残念ながら、欧州はまだまだ日本人にとって野球という意味では馴染み深い場所じゃないからね。
まぁ、僕みたいな変わり者は別として(笑)



オ:(笑)。まぁ、確かにそうだよね。


―:君の場合はどうやって野球と出会ったのかな?


オ:僕の場合は、他の野球選手とは少し事情が違うと思うよ。
僕は父親がアメリカ人で、フランス生まれではあるけれどアメリカで育ったから。
だから、野球と出会ったのは自然な話だったんだ。
一般的な野球選手についていえば、確かに興味を惹かれることは多いのかもしれないね。
欧州では、残念ながら野球はどこの国でも最大の人気競技じゃない。
オランダやイタリアでさえも2番手や3番手、もしかしたらそれよりさらに低い序列かもしれない。
だから、君たちが興味を持つのも尤もだと思う。


最大の要因は、やっぱり2006年にWBCが誕生したことじゃないかな。
あの大会が生まれたことによって、世界最高峰の選手たちに自分たちも挑戦できるという可能性が出来た。
ローカルなアスリートに過ぎなかった自分たちも、世界の舞台に立てるんだ。
今の若い選手たちにとっては、WBCという大会は非常に大きな意味を持っていると思うよ。


―:日本のファンに向けて、欧州野球の魅力について説明してもらってもいいかな?


オ:欧州の野球は、今後非常に伸びていくと思う。
2020年の東京五輪では復活が決まっているし、多分2028年のロサンゼルス五輪でも行われるだろう。
願わくはその間、2024年のパリ五輪でも競技として採用されてほしいね。
もちろん、五輪と並ぶもう1つの柱はWBCだ。
僕らは今どんどん世界に打って出ていて、2015年には日欧野球で君たちのチームとも対戦出来た。
日本やアメリカ以上に、欧州野球にとってグローバル化はものすごく意味のあることなんだ。


―:あの大会の時は、君は残念ながら2試合とも登板の機会はなかった。
ただ、日本代表と欧州代表が戦う姿はブルペンから見ていたはずだ。
日本と欧州、双方を比べてみてどう思う?



オ:いい質問だね。一番の違いは選手層の厚さだと思う。
例えばある25名でロースターを組んだとして、
それを脇においてもう1つ別の25人でチームを編成したら、日本は多分ほとんど変わらないクオリティのチームを作れるだろう。
僕らはそうじゃないんだ。
ルーアン・ハスキーズのロースターと、その次に優れたチームのそれを比較すると、その実力は決して同等じゃない。
欧州中のトップクラスの選手を集めて、やっと僕らは君らと対等に戦えるのさ。


―:僕は今回初めて生で欧州野球を観戦する機会に恵まれたんだけど、
選手と観客の距離が近いこの環境が凄く好きになった。今後、個人的にも日本からたくさんの選手や球団関係者、
ファンが足を運んできてほしいと心から願っている。
最後に彼らに対してメッセージはある?



オ:そうだね、僕も今後もっとたくさんの日本人選手が欧州にやってくることを願っているよ。
今はアメリカ人、オーストラリア人など様々な外国人選手がこっちでもプレーしている。
例えば中南米諸国出身の選手は元々イタリアやスペインに多かったけど、最近はフランスやドイツにも進出してきているんだ。
日本人選手もそういう存在になれたとしたら、とても素晴らしい事だと思うよ。


―:どうもありがとう、引き続き大会での活躍を期待しているよ!!






 オザニック投手は以前から友人として付き合いがありましたが、
日欧野球当時には接触の機会がなく顔合わせは今回が初めて。

マウンド上では支配的で相手を寄せ付けない投球を披露する彼も、非常に物腰柔らかいナイスガイという印象を受けました。
今後も彼をはじめ、欧州球界でプレーする選手たちがさらなる活躍を見せることを祈っています。



取材/記事 田中亮多
撮影/編集 渡邊宏泰

挨拶とネット中継の可能性について

こんにちは!NBBの新入りの小川です。
私は欧州というより韓国の野球、KBOに軸足をおいてるのですが、火曜日に突如KBOを放映していたNAVERが見られなくなりました。
幸いVPN(わからない人は検索してください)を使えば観れる事を知り、試した所Webメールが不正使用を疑われてログイン出来なくなってしまいました。
しかも確認の為のメールアドレスが今全く使えない状態になっていたので、Webメールがまた使えるようになるまですごく時間がかかりました…。
VPNを使うとこういうリスクが伴うんだなとゲッソリしながら思い知らされた体験でした。
さて、こういった体験から野球のネット中継についての可能性を思い知らされます。
KBOは今まで海外に対する放映権に対してはノータッチでしたが、今年度になり台湾籍の外国人である王維中(ワン・ウェイチャン)投手がNCダイノスに入団した事により、台湾に対する放映権の契約を締結しました。
その事により海外への放映が可能であったNAVERのネット野球中継の海外視聴を遮断するという決断に至ったものと思われます。
しかし、その決断は恩恵を受ける事のない、日本のKBOファンにとってはただただ困惑させるものです。
そこで私達がNPB以外の野球リーグのネット中継に目を向けています。
例えばキュラソー・ネプチューンズに放送器具を貸し出し、野球中継を行ってもらい、私達はその映像のネット放映のすべてに関して司ります。
そして収益は皆様の視聴代や広告から得ます。
その放映するチームは日本のややマイナーな大学野球連盟だってこれは当てはまります。
他にもKBOやCPBLの放映権を得ることも考えても良いかもしれません。
我々は代理人業務でNPBを第一にしながらも、NPBに依存しない野球の楽しみ方を提案出来ればなあと考える次第です。
え、器具代とか放映権料ってどこから出るんだって?
ス、スポンサー…。
あくまで理想論になっちゃうのがまだまだこの団体の辛いところです…。
以上、KTウィズが好きな小川からでした!
プロフィール

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Author:no_borderz_baseball
私たちNO BORDERZ BASEBALLは、「野球を世界的に盛り上げる」為に何が必要かをそれぞれが考え、行動する者たちの集まりです。

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